中国の公立大学で日本語教師をすると給料はいくら?資格は?実情を大公開!

2020年2月14日金曜日

中国生活 日本語教師

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こんちは。今回は中国での日本語教師について説明します。ネットで調べるといろいろなブログやサイトがヒットするので情報は割と豊富だと思いますが、実際の給料や生活について私の経験をもとに紹介したいと思います




まず、中国で日本語教師をするには大まかに分けて2種類あります。①公立大学の専任講師民間の日本語学校です。中には中学校や高校の先生の募集も例外的にあります。私は公立大学の経験しかないので、その実態について紹介します。




中国公立大学の専任教師の仕事の特徴


環境


中国では「高考」(ガオカオ)と呼ばれる一発勝負のセンター試験で高校三年生の進路が決まります。この試験の成績で入れる大学が決まるのです。中国には膨大な数の公立大学があり、ざっと3000万人くらいの大学生がいます。

多くの大学には外国語学院と呼ばれる学部があり、少なくない大学ではこの中に日本語科を開設しています。日本人の先生はここに籍を置き、日本語科の学生を教えます。公立大学では外国人の先生のビザや生活面のサポートは学校行政部門の「国際交流センター」(外事処など、呼び名は各大学で異なります)が担当し、学習面では「外国語学院の日本語科」がサポートします。最近は日本語を学ぶ学生は減少傾向にあり、日本人の先生は一人のみの採用が多いです。




授業のコマ数、拘束時間


授業は451コマで連続2コマが標準で、普通は週に16コマから18コマ程度を担当します。ふつうは毎日授業があるのではなく、週に3、4日にだけ、まとめて授業があります。学校から日本語コーナーの開設やイベントへの参加が依頼されることもありますので、できるだけ協力します。授業の前後の時間や授業のない日は完全に自由時間です。週休3、4日の勤務ですからですからかなり時間的にはゆとりのある生活ができます。もちろん慣れるまでは授業の準備には時間が必要です。




教える内容


大学の日本語科には中国人の先生や教授もいて授業を担当しています。理論的な内容の授業は中国人の先生が担当することが多いです。私も文法的な説明は中国人が母国語で行ったほうが効率的だと思います。日本人の先生に割り当てられるのは主に「日常会話」「ビジネス会話」「ビジネスマナー」「日本文化体験」など、より実践的な内容です。




学生の数、レベル、性別など


外国語学院の学生はどこの大学でも女子学生が多いです。文系に女性が多く、理系に男子が多いのは中国でも同じです。その中でも日本語学科は特に女性が多く、男子学生は1割ほどです。これにはアニメや日本のアイドルのファンには女性が多いことが関係していると思います。1クラスおよそ20人前後、各学年に1,2クラス開設している大学が多いです。学生のレベルは大学によって大きく異なり、いわゆるFラン大学では学生の日本語習得が遅い一方、中堅以上の大学の学生は猛烈に勉強してみるみるうちに成長します。




生活環境


日本語教師が住む環境ですが、普通は学校が用意する寮に入居します。学校に隣接している場合がほとんどですが、学校が新しく郊外に移設されたばかりの時は市の中心にある宿舎から専用の通勤バスで通うことになることもあります。部屋のレベルですが、学校により異なります。古くてぼろいこともありますし、最新の高層マンションのような場合もあります。基本的に家賃、高熱水道費は学校側の負担です。食事は大学の食堂で取れば便利で安いのですが、日本と違い中国の大学の学食のレベルは低く、味は期待できません。自炊か外食になるでしょう。


寮の環境は大学により大きく異なります



給料


これは実際エージェントに問い合わせたり、求人を見たりしてもらうと分かるのですが、バラバラです。給与に関係する要素は主に3つです。


①学歴 
学歴社会である中国は学歴を本当に重視します。給与には、修士であれば学士の2割増し、博士号を持っていれば別格で5割~10割増しほどの影響があります。日本語の専攻ではなくても博士は優遇されるでしょう。



②経験 
中国で日本語教師をするには2年以上の社会人経験が必要です(日本語専攻で教員免許があれば新卒でも例外的に許可される)。また中国で2年以上の日本語教師の経験があれば、経験者(トラブルを起こす心配もない)として優先的に採用されます。また経験者は給与も優遇されます。



③勤務地 
総じて北京や上海などの大都市よりも田舎の大学の給与が高いです。これは外国人が生活しやすい都会に比べて田舎は人材を獲得しにくいためです。ですから都会の物価は高いのに給与は安く、反対に田舎の物価は安く給与は高いということになります。ただ田舎は帰国や旅行の際に飛行場が遠く不便です。



かなり乱暴ですが各要素を考慮して中国の日本語教師の給与を大まかに表にすると以下のようになります。(2020年時点、完全に私の肌感覚です)

勤務地 経験の有無 学士 修士 博士
北京や上海など 経験なし 約5500元 約8000元 約12000元
経験あり 約6000元 約10000元 約15000元
地方都市 経験なし 約6000元 約8000元 約15000元
経験あり 約7000元 約12000元 約18000元



一言で日本語教師と言っても様々な要素で給与は全く異なるのです。



現在の私の給与は8000人民元(所得税が引かれて7910元)です。また毎学期の終りに交通費として6000元、が別途支給されます。日本に比べると安い給料ですが、家賃や光熱費がタダですから贅沢をしなければ生活には余裕があります。もし1年日本に帰らずに節約すれば貯金もできるのではないでしょうか。ただ厚生年金などはありませんから自分のキャリアについてはよく考えましょう。

契約について


契約は基本的に1年ごとの契約です。生活態度や授業に対する学生の評価などが平均以上であればふつうは契約更新のオファーがあります。契約更新の時には昇給がある場合が多いです。



応募資格・期待されている外国人教師像


大学に外国語学院がある場合は、英語を母国語とする外国人教師が必ずいます。大学によってはロシア人、フランス人、韓国人の先生もいます。大学側が採用で重視するポイントはズバリ「トラブルを起こさない先生」です。よくあるトラブルが政治や歴史の話題を授業中に話題にしてしまうことです。中国は共産党一党支配の国です。学校も全面的に共産党の指導に従う義務があります。ですから外国人の先生が学生に対して治的な話をすることを極端に嫌います全体としていつも謙虚な態度で学生に接することができる日本人の先生は高く評価されています。



また、独身の先生であれば学生と恋愛関係になったりすることでトラブルに発展することがあります。それで女性が多い外国語学部には女性の外国人の先生が歓迎されることが多いです。また結婚している男性教師も同じ理由で大学からは歓迎されます。


日本語教育についての資格があれば歓迎されますが、必須ではありません。中国以外の国では日本語教師養成講座420時間修了や日本語教育能力検定試験合格が必須です。学歴は最低4年制大学卒業、年齢に関しては55歳以下であることが多いです。これには労働ビザを取得できる年齢や学歴に制限があるためです。



どんな人に向いているか


「日本語を教えることが大好き」という人は勤務地がどこであれ楽しい毎日を過ごせるでしょう。また中国語や中国の歴史に興味がある人も楽しいと思います。また冬と夏に2カ月近い休みがあるため、旅行が趣味と言う人にもぴったりです。また意外と外国人教師同士の会話は英語ですから英語を使いたいという人も英会話能力を伸ばせると思います。また、自由時間が長いため、作家として創作活動したいという人や、集中して投資や資格の勉強をしたいという人にも向いていると思います。



どんな人には向いていないか


当たり前ですが、中国があまり好きではないという人は向いていないと思います。無理をして中国で生活していてもストレスがたまりますし、些細なことでトラブルになることもあり得ます。もし中国のことが嫌いであればそれは横柄な態度や冗談など、日々の言動に出てしまうのです。

また仕事量としては少ないので、やりたいことが無くついだらだらしてしまう人は、もう日本で働けなくなってしまうかもしれません。中国での日本語教師は、日本語教師としてのキャリアとしては評価されにくいと言われているので、これからの人生を考えて計画的に中国生活を送れる人に向いていますね。

以上、私が経験した中国の公立大学での日本語教師の実情でした。参考になればうれしいです。具体的に何をしていけば中国で日本語教師になれるのかは別にまとめて投稿したいと思います。質問があればコメントでお願いします。

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