関羽の子孫・・・59代目関さんにお会いしてきました!!

2020年2月29日土曜日

中国生活 日本語教師

t f B! P L
ここ河南省中原地方は古くから文明が栄え、中国古代史の中心です。もちろん三国志の舞台で、三国志ファンなら河南省の各地の地名を聞くだけで大興奮間違いないでしょう。許昌、南陽、禹州・・・。たまらないですよね。
先日大学の研究室から連絡があり、今度大学内で三国文化の研究会があるので、日本人代表として出席してほしいとのことでした。私は三国志ファンで、授業中にもちょくちょく話題を出すのですが、それが回り回って三国文化研究会の教授の耳に入ったようです。三国志ファンとしては断る理由はありません。日本語学部の先生と共に研究会に出席しました。
三国文化研究会のメンバーの教授たちと
研究会の前に、研究会の会長が今どのような活動を行っているのか丁寧に説明してくれました。掘り起こした遺跡の保存、文化的かつの宣伝や啓もうと忙しいようです。しかしここは中国、どんな学術研究も国の理解と支持なしには大学内で研究を進めることはできません。そこで会長は地元の政府との協力や観光資源としての文化遺産の活用などに取り組まざるを得ないと話していました。
会議の参加メンバーが言うのは、日本人の三国志への知識と情熱でした。日本人は長年手弁当で中国にやってきて三国志の資料の保護や研究をやってきたんだと口々に話してくれます。中国の文献を見ても分からないことが日本の三国志研究の資料には載っていることがよくあるそうです。たしかに日本の三国志オタクの熱量はすごいものがありますからね・・・。

会議の中で感じたことは中国は制度上、三国志文化の研究・宣伝や海外へのアピールも共産党政府との協力の中で行う必要があり、偉大な祖国の文化という位置づけが強くなります。純粋な三国志のロマンを楽しむ日本のファンとは方向性が微妙にずれてくるのです。


私が「ファンは現地に赴き、この道を関羽たちが歩いたと思うだけでもう十分満足なんだ」というとみなポカーンとしています。「曹操の墓から出てきた石の枕だけ見ても、ああ、やっぱり頭痛持ちだったのか、三国志演義の記述通りだと思えてうれしくなるのだ」と話すと、「日本のファンはみなそんな純粋なのか」とびっくりしています。日本にはオタク文化があり、自分の趣味や好きなものが社会的に承認されたり国家に表彰されたりする必要を感じないのだと話すと、みな納得のようでした。

研究会の様子です。みな熱心に議論しています。
会議の途中、特別ゲストが参加しました。なんとあの関羽の子孫、59代目の方です。もちろん名前は「関」さん。家系図も本人から自分まできちんと記載されているとのこと。1800年も前のことですから、これはすごいことです。関羽は王にも皇帝にもなったことが無いのに「関帝」として中国人に尊敬されています。当の時代に関羽の神格化が進んだともいわれ、世界中に関帝廟があり、財産の神様としてあがめられています。
ご本人は「あなたは誰だと聞かれればまず、私は関羽の子孫だと答える」とおっしゃっていました。そういわれるとどことなくイメージの中の関羽に似ておられるような気が・・・。貴重な出会いでした!


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