中国の最新コーヒー事情 「ラッキンコーヒーと大学生」

2020年2月28日金曜日

中国生活

t f B! P L
中国人は40代以上では40とんどの人がコーヒーを飲む習慣がありません。じゃあお茶を飲むのかといえば、地方にもよりますが毎日お茶ばかり飲んでいるわけでもありません。中国人は白湯、ただのお湯を飲む習慣が一般的です。お客さんにもお湯を出します。ほかにはコーラなどの炭酸飲料や夜はお酒なども飲みます。

中国人はコーヒーを初めて飲むと「苦い」といって二度と飲まない人も多いです。マクドナルドやケンタッキーフライドチキンは以前からコーヒーを提供していましたが、なかなか日本のように一般的に親しまれるようになりませんでした。そのコーヒーもインスタントや煮詰まった苦いだけのコーヒーで、コーヒーが本来持つ香りやコクを楽しめるようなレベルのものではありませんでした。

時々中国人がコーヒーを飲むときがあっても、ミルクと砂糖を大量に入れたコーヒー牛乳のような飲料として飲まれるだけだったのです。5、6年程前までは街の喫茶店でも砂糖とクリープのような粉とインスタントコーヒーの粉が混ざったものをお湯で溶いてお客さんに提供していたのです。

これは韓国のインスタントコーヒーです。
そんなコーヒー砂漠ともいえた中国市場に乗り込んだのがスターバックスです。スターバックスはそのおしゃれな店舗や洗練されたイメージを武器に中国市場で出店攻勢をかけました。スタバは中国人にコーヒーのおいしさを徐々に広めていく役割を担ったと思います。おかげでケンタッキーの店舗などほかの飲食店にも豆をその場で挽いて各種コーヒーを提供するスタバにあるような機械が導入されてきました。ここ数年でコーヒーは本格的に市民権を得たと言っていいでしょう。

コーヒーチェーンの巨人スターバックスの独走だった中国市場に新たな風が吹いたのが2017年です。銭女史が立ち上げた「ラッキンコーヒー」です。中国語では「瑞幸咖啡(ルイシンカーフェイ)」と言います。膨大な赤字を垂れ流しながら猛烈な勢いで事業拡大し、起業からわずか二年足らずでニューヨークに株式上場しました。

このラッキンコーヒーの業態はスターバックスとは似て異なるものです。多くの店舗は小さめでテイクアウトやデリバリーに特化しています。コーヒー一杯の価格はスタバの2割引きくらいです。スタバの圧倒的なブランド力に対抗するためにラッキンコーヒーが打ち出した作戦が、友達に送れる無料クーポンです。ラッキンコーヒーにはほかにも様々なクーポンがありますが、その多くは8割引きくらいです!!
新店舗開業キャンペーンは2杯買うと1杯無料・5杯買うと5杯無料!!もうメチャクチャです。
実際の決済のスマホ画面です。22元引き!!
もちろんこれでは完全に赤字ですから、ラッキンコーヒーは手持ちの資金を盛大に燃やしながら現在の店舗を運営し、かつ中国全土に出店を続けていることになります。いつの日かラッキンコーヒーが適正価格でコーヒーを提供し、利益を出しながら巨額の借金を返済できるのかどうか、世界の投資家は半信半疑で見守っています。それはともかくスターバックスとラッキンコーヒーの競争は中国の若者にコーヒーの味を覚えさせるのに十分でした。私の生徒の中にもコーヒー大好きという男子生徒がいます。
見た感じはスタバのコーヒーとよく似ていますね
彼は8人部屋の寮では禁止されている電気湯沸かしをこっそり持ち込み、ミルで豆を挽いてドリップコーヒーを楽しんでいます。若い中国人の学生がブラックのレギュラーコーヒーを飲む時代やってきたのです。これから中国では爆発的なコーヒーの需要の増加があると思います。
豆を挽いて淹れるだけに豆へのこだわりは半端ないです。
先日日本に帰国したときに、実家の母がコーヒー豆をもらったので中国に持って帰らないかと言ってきました。世界各地のコーヒー豆を詰め合わせたギフトだったのですが、その中に中国産の豆がありました。中国南部の雲南省産です。雲南省は標高が高く夏でも涼しい観光に人気の山岳地帯です。恵まれた気候を生かして以前よりコーヒーの栽培に挑戦、最近出荷量が安定してきたようです。次の中国国内旅行は雲南省に行きたいな・・・と思いながらおいしくこのコーヒーをいただきました。
雲南省産のコーヒー豆、なかなか美味しかったです。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

参加ユーザー

QooQ