【保存版】中国で日本語教師になる方法・就労ビザ(Zビザ)・外国人居留証取得方法とその流れ!!

2020年2月25日火曜日

中国生活 日本語教師

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今回は実際に中国で日本語教師になる手順(主にZビザ、外国人居留証取得)について紹介したいと思います。



簡単に流れを示すとこのようになります。

①求人を探す

②大学側と条件等を交渉する

③大学側と契約する

④「外国人工作許可通知」取得のための資料をそろえて学校側に提出する

⑤「Zビザ」を在日本中国領事館に申請する

⑥中国へ入国し、現地でもう一度身体検査を受ける

⑦「外国人居留許可証」を申請する→完了



ものすごく長い道のりですよね。実際たいへんですが、最大の難関である④の「外国人工作許可通知」さえ取得できれば何とかなります。頑張りましょう。では一つずつ見ていきましょう。



求人を探す


国内の日本語教師の求人はいろいろな求人サイトに出ていますが、普通、中国の公立大学の求人は乗っていません。ジャイカJICA国際協力機構が途上国支援として中国に日本語教師を派遣していた時代もありましたが、現在はそのような取り組みは少なくなっているようです。現在自分で中国での求人を探し、面接、採用を目指すにはいくつかの方法があります。

①エージェントを探す


仲介業者を通すのが一般的だと思います。中国の公立大学の外国人教師を紹介する代理人がいます。海外求人サイトや、日本語教師向けのサイトなどに求人広告が出ています。

(例)日本語教師の集い↓
https://www.e-tsudoi.com/db_job/job/job_bbs_list.php

普通はエージェントに連絡すると写真付きの履歴書とパスポートのコピー(スキャン)、大学の卒業証書のコピー(スキャン)の点を送信するように求められます。いきなり個人情報を送信するのに抵抗があるかもしれませんが、エージェントが手続きを進めても万が一本人がビザの申請条件を満たしていなければすべての努力が無駄になります。エージェントも自分の持つ求人情報を開示するのですからお互い様だと思いましょう。通常、上記の資料を送らなければ具体的な大学名などは教えてもらえません。



エージェントを通すメリットはいろいろな勤務地から選べること、条件を交渉してくれること、エージェントが手続きに詳しく、慣れていることです。エージェントは学校側から成功報酬を受け取りますから、教師側は無料で紹介とサポートを受けることができます。エージェントの中には派遣業をしている会社もあります。日本語教師はまずその会社の社員になり、派遣と言う形で各地の大学で教えることになります。このような会社と契約した場合、採用決定の時点で準備金(5,000元ほど?)が支払われます。

②自分のコネで探す・大学に直接連絡する


日本語教師の養成学校や、中国で日本語教師をしている知り合いにコンタクトを取ってみましょう。もしいい求人があれば紹介してくれるかもしれません。ただ、このような場合には、勤務地や条件について選択の余地が狭いでしょう。また、時々日本語教師関連のサイトの求人欄に中国の大学が直接求人広告を載せることがあります。その時は大学名と担当者名、連絡先が明記されているのですぐわかります。大学としても直接人材を獲得できたほうがマージンを業者に払わなくて済みます。ただ、担当者によってはビザ取得の手続きに詳しくない時があり、手続きが大変になることもあります。

③日本語教師のブログにコメントする


中国で日本語教師をしている人の多くがブログを開設しています。記事にコメントすると耳寄りな情報を教えてくれるかもしれません。またいろいろな理由で日本語教師が帰国するタイミングで後任の募集があるかもしれません。

 

大学側と交渉する


エージェントが紹介してくれる大学に興味があれば、大学の担当者と連絡します。大学との連絡手段は普通WeChat(微信)なのであらかじめアプリをダウンロードしておくといいでしょう。

交渉で確認すべきポイントは週に担当するコマ数、担当する教科、宿舎の住環境、毎月の給料、夏休みと冬休みが有給であるかなどです。給料は募集の時に明示されていますが、学歴、経験で有利になることがありますからダメもとで増額できないか聞くべきです。また急募でどうしても来てほしい時には向こうから増額オファーがあります。



契約する


大学によっては日本語科の教師がスカイプで面接することもあります。お互いが条件面で同意した場合、契約書がメールで送られてきます。内容に問題が無ければそれをプリントしたうえで、英文・中文(日本語も用意されることもある)の両方にサインした後、スキャンして学校に送り返します。当然ですが、契約は即効力を持ちますので、契約が成立した後は他に良い条件の求人を見つけても連絡してはいけません。契約をすると学校から犯罪履歴証明を取るための招聘状が送られてきますので、ここから必要書類の準備が始まります。

契約すると送られてくる招聘状兼犯罪記録証明申請書類


「外国人工作許可通知」のための資料をそろえる


必ず必要な書類は以下の3つです。

①健康診断書「外国人体格検査記録」

②無犯罪証明書「犯罪経歴証明書」

③大学卒業証書「卒業証明書」



また状況によって必要になる資料は以下の2つです。

④就業履歴証明書(資格証明書) 中国で日本語教師を2年以上していた証明など

⑤夫婦関係証明(戸籍謄本) 配偶者がいて、かつ配偶者ビザ(Sビザ・就業は禁止)が必要な場合



①健康診断書「外国人体格検査記録」


渡航用の健康診断書

ネットに情報が少ないのがこの診断書に関することです。病院であればどこでも良いわけではなく、東京の「日中友好病院」か「公立の病院」と定められています。いろいろなサイトには「国立病院」の診断書が必要だとありますが、実際は「公立病院」であれば大丈夫です。私は田舎の「○○市民病院」で診断書を書いてもらいました。「外国人体格検査記録のフォーマットは中国大使館のホームページでダウンロードできますから印刷して自分の証明写真を添付し、予約をしたうえで病院に持参します。写真に割り印を押してもらうのを忘れないでください。健康保険は使えない自由診療で、2~3万円程度が相場のようです。X線のフィルムも受け取りましょう。



②無犯罪証明書「犯罪経歴証明書」


犯罪経歴証明書

これは自分の住民票がある都道府県の警察本部で申請します。電話で連絡し、確認してから向かいましょう。必要なのはパスポートと中国の大学から送られてきた招聘状、住所を示す身分証明書(免許証など)です。すべての指の指紋を採取され、これを一週間後に受け取ることができます。開封無効ですので自分で開けないように気を付けましょう。




この犯罪経歴証明書は、卒業証明書と共に「日本外務省の公印認証」をうけた後「中国領事館の認証」を受ける必要があります。外務省の公印認証は申請も受け取りも郵送できますが、中国領事館の認証申請は必ず出頭する必要があります。受け取りは郵送を選択できます。外務省ホームページ、中国領事館ホームページから申請方法や費用を知ることができます。



③大学卒業証書「卒業証明書」


中国の公立大学で日本語教師をするには必ず4年制大学を卒業して、2年以上の就業経験が無ければいけません。(日本語教育専攻であれば新卒も可)それで卒業証明書か卒業証書に②無犯罪証明書と同じように「外務省の公印認証」と「領事館の認証」を受ける必要があります。一つしかない卒業証書に外務省の印と領事館の認証を直接貼付するのは現実的ではないので、実際は新たに大学から卒業証明書を発行してもらって二つの認証を取ることになると思います。



④就業履歴証明書「資格証明書」


中国での日本語教師の経験が2年以上無い場合は大学卒業後に2年以上就業した履歴証明を提出する必要があります。これは以前勤めていた会社に頼んで発行してもらいましょう。会社が発行した事例が無いのであれば簡単に参考例を書いてあげると総務課は助かるでしょう。必要なのは「勤めていた期間」「職務内容」「代表者の名前」「住所・電話番号」「会社の公印」です。英文か中国語であれば理想的ですが、日本語でも構いません。また公印認証を取る必要もありません。




中国での日本語教師の経験が2年以上ある場合は、勤務先だった学校に依頼して就業履歴証明を発行してもらいます。学校は慣れているのですぐに発行してくれると思います。必要な記載内容は、「勤めていた期間」「職務内容(必ず日本語教師と明記)」「いかなる校規・法令違反が無いこと」「代表者の名前・サイン」「外国語学院か学校の公印」です。地方によっては単に「外国人教師」と記載しているだけでは日本語教師の経験として認められない点に注意が必要です。必ず「日本語教師として勤務」と書いてもらいましょう。私の場合その記載がなかったのですがたまたま大丈夫でした。



⑤夫婦関係証明(戸籍謄本)


夫婦で中国に行く場合は、夫妻证明が必要です。国によっては「結婚証明書」がありますが、我が国には「戸籍謄本」しかありませんのでこの戸籍謄本に「外務省の公印認証」、「中国領事館の認証」を取る必要があります。戸籍謄本には英文での名前の記載がなく、パスポートのローマ字の名前と一致しません。場合によっては問題にされて、翻訳したものに公印認証と領事認証を受けるように求められるかもしれません。なお中国の日本領事館で認証を受ければローマ字の認証を出してくれます。この戸籍謄本に対する当局の対応は各地方の出入局管理局により異なります。





資料がそろったら、赴任する学校に日本のどの領事館でビザ申請を行うか伝えます。中国の外国専門家局は日本の領事館に直接情報を送るので、どの領事館で申請するのか伝える必要があるのです。基本的に住民票がある場所で管轄が決まっているので申請する領事館を勝手に選ぶことはできません。



そろえた書類をすべてスキャンして受け入れ学校に送ると、学校が地元の外国人専門家局に工作許可通知を申請します。この専門家局は地方によって審査の基準が大きく異なり、厳しいところはさらに付加的な資料の提出を求められることがあります。「あれも出せこれも出せ」と言われても心折れずにがんばりましょう。

 
外国人工作許可通知。丈夫にバーコードがついています。これさえ送られてくればあとはカンタン。


審査が通れば、外国人専門家局から学校側に「外国人工作許可通知」が送付されます。
ここまでくればもう大丈夫、ゴールはもう見えてきました。



「Zビザ」取得を領事館で申請する


外国人工作许可通知が発行されると、学校がそれをスキャンして(もしくはPDF)を送ってくれますのでプリントアウトします。原本ではないので有効なのだろうかと心配になるかもしれませんが、情報は電子管理されておりビザを発行する予定の領事館はすでに申請者の資料を受け取っています。領事館は外国人工作許可通知の上部に印刷されているバーコードを読み取り、申請者情報と照合するだけですからコピーでも大丈夫なのです。以前は原本が必要でした。



領事館にZビザの申請に行くときに必要なのは以下の4つです。

①パスポート パスポートの有効期限まで残存期間が6カ月以上あることを確認しましょう

②申請書 その場で記入することも、ダウンロードして事前に記入することもできます。

③証明写真 その場で撮るほうが無難だと思います

④手数料 3000円~必要日数で通常申請か特急申請が選べ、料金が異なりますので窓口で確認しましょう



申請時には必ず本人が出頭しなければなりませんが、受け取りは郵送(有料)でお願いすることもできます。ビザが取れたら3か月以内に中国に入国しなければならないという決まりがあります。また、中国へ向かうときにはビザ申請に必要だったすべての書類の原本を持っていきます。



現地の検疫局で身体検査を受ける



中国の大学に到着したら、もう一度中国国内での身体検査を受ける必要があります。え?日本で受けたのに? そうなんです。もう一度中国国内の出入境検疫局にて身体検査を受ける必要があり、写真にあるこの身体検査証がないと居留許可証の申請ができません。これは学校側も知っていますので担当の人が出入境検疫局に連れて行ってくれます。





外国人居留許可証を申請する


学校の外事処か国際交流合作中心の担当者が地元の公安に連れて行ってくれ、「外国人居留許可証」を申請します。当日公安で写真を撮りますので、イヤリングやバンダナなどの写真に写る一切の装飾品を外して出頭します。資料はネットで申請時にアップロード済みなのですが、窓口では「外国人工作許可通知」申請の時に提出したすべての書類の原本を確認されます。



中国に入国したら30日以内にZビザから外国人居留許可証に切り替えることが必要ですが、担当者がうっかり申請を忘れていることがあります。あまりにも遅い場合は確認を入れましょう。パスポートも提出しますのでパスポートが帰ってくるまでは旅行には行けません(一応控えをくれますので公共移動は可能ですが、いろいろと面倒ですから現地で待機しましょう)



一週間後にパスポートに外国人居留許可証を貼り付けて返却されます。と同時に外国人工作許可証というカードも発行されます。使う機会はほとんどないのですが、無くさないように注意しましょう。これは退職の際返却する義務があります


これで晴れて中国の大学で教える準備が整いました。おめでとうございます。大学と契約してから実際に居留証を取得するまで最短でも1か月半はかかると思います。



 中国内でZビザ申請資料を準備する場合


ここからが番外編なのですが、中国国内ですでに働いていて、転職などで新たに居留許可証を取得したいケースです。日本に帰ってここに紹介した順番をたどればもちろん取得できるわけですが、「できれば帰国したくない」「旅費がもったいない」などの理由で、中国国内で手続きできないだろうかと考える方もおられると思います。そこで実際私がやってみた体験から、中国国内で資料を準備するメリットとデメリットを紹介したいと思います。



就労ビザ申請を中国国内で行う場合のメリット


①書類の中国大使館での認証が不要

日本国内では卒業証明書や犯罪経歴証明書は「外務省の公印認証」→「中国領事館の公印認証」と二つの認証を経なければなりませんが、中国国内の日本領事館で「外務省の公印認証」を行えば1回で済みます。領事館に出頭して申請したときに申し込めば中国国内の現住所にEMS着払いで郵送してくれます。また夫婦関係証明も英文で書いてくれますので、翻訳する必要がありません。


①前職の就業履歴証明などをEMSで送る時間と手間が節約できる

前職の学校や会社からすでに就業履歴証明書を受け取っていても、数年前のものであったり、内容が不十分であったりすればもう一度発行をお願いすることになります。海外郵送は時間がかかりますから中国国内で出来ればいいですね。直接赴任する大学へ郵送してもらえるかもしれません。


②身体検査を一回で終えられる

すでに中国国内にいるのであれば、わざわざ日本に戻って身体検査をする必要はありません。今中国にいて日本でビザの申請をしようと思う場合でも中国の出入境検疫局で身体検査を受けてから帰国すれば日本で身体検査を受けなくて済みます。日本で身体検査をすると3万円ほどかかるのに対し、中国で受ければ500元(約8000円)ほどです。


③移動費用が節約できる

日本に帰る用事もないのに飛行機のチケットを買う必要はありません。



中国国内申請のデメリット


①時間がかかる 

在中国日本領事館で手続きすると、いったん資料やデータを本国に送り、返事を待つ時間が必要です。犯罪履歴証明は日本の領事館でも申請できますが、数週間から一か月見てほしいと言われます。卒業証明書の公印認証も2週間くらいかかりました。また外務省のデータバンクと異なる印が押されている場合と合わせがあり、また時間がかかります。


②地元当局の担当者が手続きに慣れていないことがある。

田舎であれば当局や学校の担当者が手続きに慣れておらず、出せと言われ書類が不要だったり、以前いらないと言っていた書類をギリギリになって出せと言われたりします。手続きに時間がかかり、居留証の滞在期限が迫れば、仕方なく国外に出たり、公安で書類を発行してもらったりといろいろ大変です。

また現地で申請すると証明写真をプリント版と電子版で提出する必要がありますが、写真の規格が特殊で、中国人の身分証申請やビザ申請と異なるので、街なかの写真屋さんはまずこの規格を知りません。私は画素数などの規格に合わせるため、ぺいんとなどのソフトを使い自分で加工しました(泣)



以上、中国の日本語教師になるための書類と手続きの流れでした!参考になればうれしいです。

*審査基準や手続きは突然変わりますので、実際申請されるときには当局の指示に従ってください。実体験をもとに正確に書いていますが、内容に関して一切の責任は負いかねます。

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