強力な措置が効果を発揮
ここ一か月中国全土(あまり新型肺炎の患者が出なかった地域を含め)の中国人は移動制限や外出禁止などで不便な生活を強いられてきました。中国の新型肺炎対策はかなり徹底していて、日本のような「勧告」「自粛要請」といったものではありません。「移動制限に従わないものは法によって処罰する」という強制力を持つものです。農村でも暇を持て余した村人が麻雀をしていたら公安当局が飛んできて自動麻雀テーブルを鉄槌で破壊したうえ公安に連行するという事件が相次ぎました。
しかし結果として、新型肺炎の新規患者はこの数週間で激減、ここ数日は湖北省以外ほとんど出ていません。テレビでは8万人ほどの患者がいると報道されていますが、その半分は治癒しており陰性が確認されています。ウイルスはほとんどが人を介して伝染していきますから、人の移動を強制的に止めた中国は多大な犠牲を払ったとはいえ賭けに勝ったと言えるかもしれません。
まだまだ厳しい管理は続いています
私の住む街ではここ数週間新規患者は発生しておらず、39人の感染者のうち、一人が死亡、残る38人はすべて治癒、先日最後の患者が退院しました。退院を祝う新聞が張り出されていました。
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わが市では新型肺炎の患者がついにゼロになった!の記事 |
しかし政府はまだまだ厳しい規制を緩めず、スーパーマーケットや百貨店の入り口では、身分証と専用のアプリを使ったスマホ認証が無ければ入場できません。我々外国人は身分証が無いのでこのアプリに登録ができないわけですが、「外国人で身分証が無いんだけどパスポートで入れてくれないかな?」と聞いたところ、「政府の管理下に置かれているから我々では勝手に許可は出せない」ということでアウトでした。
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近所のショッピングモールの入り口。入場するには専用アプリの登録が必要です。 |
今中国では至る所に「距離を置きましょう」「2メートル離れましょう」「1.5メートル行列行動」などの張り紙が貼られています。もともと中国のパーソナルスペースは日本人よりもずいぶん狭く、行列では後ろの人が密着してくるのは日常茶飯事です。またバスでスマホを見ていると隣の人が覗いてくるのもよくあることです。ところがこのコロナウイルスの流行でみんなある程度の距離を置くようになりました。「愛しているから1メートル離れます」・・・心地良いような、ちょっと寂しいような。
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「愛しているから1メートル離れます」 |
久しぶりにマクドナルドでコーヒーでも飲みたいと思いお店に行ってみると、店内での飲食はまだ禁止でした。注文もスマホ、商品を受け取るときは2メートル下がって店員さんがかごに入れてお店に下がったあとにかごまで行って受け取るという。アポロ13の宇宙飛行士の出発前夜の家族との面会のようなシステムでした。ここまで人と人の接触を規制しているのにはちょっとびっくりしました。
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店員さんがアオイ科後に商品を入れた後、お店に帰ったら受け取ってもよいという「アポロ」システム。 |
まだまだ油断はできないとはいえ、トンネルの向こうに小さな光が見えてきた中国。日本をはじめ他国の新型肺炎の流行も一日も早く収束することを願ってやみません。
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