外国語を勉強するときにはどうしても母語の影響を受けますね。特に文法や発音は完全にマスターするのは非常に難しいです。中国語を母国語とする日本語学習者も同じ。意味は分かるので、ついつい修正しないこともありますが、やはり成長するためには細かな点に注意しなければなりません。细节决定成败(細かな点が結果を左右する)
今回取り上げるのは「将来に使う過去形」です。
中国人の日本語によくみられる不自然な日本語の中に、このようなものがあります。
「10年後、私はもう30歳になりました。結婚すると思います」
「あと一週間たてばテストは終わりました。旅行に行きます」
どちらも日本人には少し違和感があると思います。それは将来の「30歳になること」や「テストが終わること」に過去形を用いているからです。この傾向はほとんどの中国人学習者にあてはまります。意味は分かりますし、特に文法上の誤りというわけでもないのでスルーしてしまいがちです。そこでどうしてみんなこのように書くのかを分析したうえで生徒に注意を促しました。
普通中国語で上記の例文を書くとこうなります。
10年后我已经30岁了,要结婚。
还有一个星期就考试结束了。去旅游。
中国語では将来完了することに過去形を使う場合があります。それでその習慣の通りに日本語を翻訳するので将来完了する文章を過去形で書いてしまうのです。正しくは
「10年後、私はもう30歳になります。結婚すると思います」
「あと一週間たてばテストは終わります。旅行に行きます」
となりますね。委縮する必要はありませんが、常に自分の外国語が母語の影響を受けていることを意識することは大切です。このように対比させながら説明するのはとても好評だったのでこれはシリーズ化して続けて行こうと思います。
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