この季節になると求人情報が雨の後のタケノコのようにどんどん増えてきますね。
中国の大学は9月から一年が始まるので、8月までに授業のカリキュラムと時間割を決めておく必要があります。外国人のビザの手続きが2か月以上かかることを考えると、6月までには新任の外国人教師と契約しておかなければなりません。ですから4月から5月が中国の大学で最も求人が多く出る時期です。
いろいろな仲介業者が求人の広告を出していますが、中には大学の学部が直接日本語教師の掲示板などに広告を出すこともあります。仲介業者の場合は具体的な大学の名前を出すと競合に代理権を取られたり、求職者に直接連絡されたりして手数料のとりっぱぐれが起きるので、大学名は出さずに地域名や都市名を表示しています。
求人情報の内容はほとんどの場合、
①大学名(地域名)
②勤務条件(給与・担当コマ数・福利厚生)
③応募資格(4大卒は必須・修士、博士に限る場合も・経験や資格など)
④応募方法(履歴書・各種資料を添付したメール)
⑤選考方法(書類選考→オンライン面接)
⑥問い合わせ先(ほとんどがメールアドレスやwechat)
などで、ほとんどの求人サイトで同じです。この中でより良い条件の学校の求人を見つけるうえで重視すべきポイントと、あまり気にしなくてよいポイントを解説します。
重視すべきポイント
①「民办」か、「公办」か
大学が直接広告を出していれば、その必要はありませんが、仲介業者が紹介している場合は、公立大学か私立(民間)大学化の違いを確認する必要があります。なぜならば公立大学か、民間の大学かで生徒のレベルや給与システムが大きく違うからです。民間大学は(有名な公立大学の名前+○○学院)という名前が多いです。
公立大学の学生はまじめに勉強する学生が多く、教える側も楽です。質問にも積極的に答える学生が多く、授業の雰囲気もいいです。ただ、教える内容がつまらないと露骨に苦情が出ます。
民間大学は生徒のレベルが低く、授業に工夫が必要です。民間大学は淘汰されないように必死ですから授業の質も大学によっては要求されます。またどちらの大学でも最も期待されるのはスピーチコンテストでの優秀な成績です。
また公立大学では給与システムや教務の仕事がしっかりしており、心配はいりません。そのかわり、生徒や学校からの評価が給与に反映されることは少なく、手当もあまり出ません。民間大学は成果主義のところが多く、コンテストで優秀な成績が出たり、学校や生徒からの授業への評価が高い場合、報奨金や各種手当が出ることがあります。
どちらも一長一短ありますので、ここはチェックしておきましょう。
②応募方法
応募方法はほとんどが履歴書を提出した後のスカイプなどのビデオ面接で決まります。しかし中には模擬授業をさせる大学や、今いる大学の授業風景をビデオで撮って送るよう要求してくる大学もあります。
私は授業の質やクラスの運営能力は面接すればだいたいわかると思いますので、このような要求にこだわる大学はあまりお勧めしません。
③お問い合わせ先
このお問い合わせ先が日本人の場合は、注意が必要です。大学を装った個人の仲介業者かもしれないからです。その場合は手続きがスムーズにいかない場合もあるので私は少し警戒します。もっとも、大学の前任者の日本人教師が好意で広告を出している場合もあるので場合によりますが。
以上が求人情報で気を付けるところです。
あまり気にしなくてよい項目
①勤務条件・給与
求人情報を見ていると毎月12000元を超える額から5000元程度までかなりの幅があるので戸惑うことでしょう。しかし、私は給与はあまり見なくてよいと思います。
大学側はこれまでの経験で、外国人教師の人柄、能力は様々で、1年で辞めてもらう状況が多々あることを知っています。それで能力も評判も良くない教師に高給を払うことになることを強く警戒しています。
それで多くの大学は外国人に出せる最低金額を提示している場合が少なくありません。また民間大学では各種手当は月給に含まれませんから名目上の給与は安く見えます。
働き始めると、あなたの能力や、成果、生徒の評判がわかってきますから、それに応じて給与は改善されることが多いです。遅くても一年後の契約更新時はは正当な評価に変更されるでしょうから、数年中国で働こうと思う人は求人情報の給与の額にはあまりとらわれないほうがいいと思います。
博士は別格ですが、学士と修士の給与差も気にする必要はありません。採用されてしまえばあとは実力勝負です。
②勤務条件・雇用期間
給与と関係がありますが、雇用期間・給与の出る月数も気にする必要はありません。
もし学校と教師、お互いに満足できなければどちらにしろ10か月程度で契約は終わりますし、学校側が教師に強く残ってくれるように望むなら、新しい契約は夏休みを含む12か月有給に変更されます。もし新しい契約でも休暇期間中の給与を出さないということは日本語学部の存続が危ないか、教師への評価が低いかのどちらかです。学校を去るのがお互いのためでしょう。
以上、求人情報で気にすべきところ、気にしなくていいところ、でした。参考になればうれしいです。
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